北海道上川町の森で、森の未来を考える
持続可能な森林をつくる
きこりが持続可能な方法で管理する森から木を伐りだします。丸太は製材所に運ばれ板材に加工され、板材は地元・上川地方の木工家の元に届けられ、そこで木工製品が制作されます。そして木工品は、土産店や販売店を通して生活者の元へと届けられます。森林について研究している研究者や学生もいます。山菜採りやきのこ狩り、トレッキングやマウンテンバイクなどのアクティビティを楽しむ人たちもいます。
いろいろな方々がそれぞれの立場で森林について考えています。でも、森の環境は良くするにはもっと多くの力や理解が必要です。一度壊れてしまった森を回復するには、少なくとも人の一生分くらいの時間が必要で、責任重大です。森から街まで、それはつまりきこりから生活者まで、みんなで力を合わせる時がきていると私たちは感じています。
上川町
上川町は北海道中央部に位置し大雪山国立公園の麓に広がる町です。この町は、1954年に発生した洞爺丸台風の風倒木処理を契機に、林業と共に発展してきました。しかし風倒木の処理が進むにつれ地元の林業は衰退し、過疎化も進みました。これらを踏まえ、私たちは森林資源や事業の永続化を重要視すべきものとしてとらえています。
また北海道の林業の特色と言えば、天然林。この資源を使う基礎が備わっていることです。全国で一番天然林による木材の生産量が多く、近隣には大きな市場もあります。また森林管理の上でも天然林を構成する木の種類が本州と異なる事も特長です。しかし天然林の管理はとても難しく、次世代の事を考えなければあっという間に資源がなくなってしまう事も指摘されています。天然林を使う事が広がってほしいようなほしくないようなジレンマを私たちは抱えています。
Voices
“よい森も管理の手法や意識の差で簡単に景色が変わってしまう。つくった道に責任を持ち、良い方向にもっていきたい。少しずつ確実にやっていきます。想いが伝わる人がいるのは確信してます。突き進むのに不安はありません。”
— 清水省吾(きこり・里山部代表)
“北海道の山々から木を預かり器をつくる。それは山と人とを繫ぐ仕事。木を山から預かり人と繋げる。そして、山を手入れし木を育てる。適正量の木を伐採することで山が呼吸し、若い木を育てます。”
— 高橋英寿(木工家・高橋工芸)
“かつてデザイナーの役割は、大量生産・大量消費を促すことでした。いまは持続可能な方法で生産された製品が売れる仕組みをつくることへと変化。そして、製品が持続可能な方法で生産される仕組みをつくることになっていくのかもしれません。”
— 佐々木信(デザイナー・3KG)
森までさかのぼる
購入した木工製品が誰の手でつくられたかは辿れるようになってきました。私たちは、もう少し先まで辿れるようにしたいと考えています。
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